子育てNPOの代表や自分で会社をやっている関係上、同年代のほかの方たちに比べて、人前で話す機会が多い私ですが、実は人前で話すことは得意じゃありません。
「慣れてるでしょ?」と思われがちですが、そんなに慣れるものでもありません。
ただ、私の最大のメリットは、大学時代にプレゼン地獄を経験してること。Business の学部は、他の学部と比べてプレゼンが多い。当たり前だけど英語です。そして授業ですから、その出来によってシビアな成績がつけられます。緊張に次ぐ緊張で、心拍数がネズミ並みに高くなりすぎて倒れるんじゃないかと思いながら、なんとか毎回こなしていました。
そのおかげで今は、「相変わらず緊張はするけど、日本語だからあのときよりはマシ」と思える。それだけが強みです。
そんな、話すのが得意じゃないけれど、どうにかこなしてきた私が実践から得たコツ4つをお伝えします。PTAや懇談会などで話さなくちゃいけないときにお役立てください。
話す前は深呼吸を意識する
一番緊張しているのは、話し出す前です。輪になって話し合う懇談会なら、自分の順番が近づいてくるたびに徐々に緊張が高まるんですよね。
で、自分が話そうと思っていた内容と同じことを誰かが話すのを聞くと、「うわー、先に言われちゃったよーどうしよー」ってなるんですよね。
とりあえず焦りはおいといて、深呼吸してください。鼻で吸って鼻で吐くのがおすすめです。特に吐く息の方に意識をしましょう。息を吐いているときは副交感神経が優位になるので、緊張が和らぎます。心拍数はコントロールできないので、呼吸をコントロールするのです。
冒頭で今の思いをカミングアウトする
さあ、自分の番がやってきました。緊張が続いているようなら、今の自分の思いを正直に言ってしまいましょう。「すみません、話すことが得意じゃないので緊張しています。分かりにくかったらごめんなさい」
ほとんどの周りの人たちは好意的な反応を示してくれるはず。
「大丈夫よ」って心の中で言ってくれています。「よかった私以外にも緊張してる人がいるんだ」ってほっとしている人もいるはずです。
カミングアウトすると一気に楽になれます。

ひとつ私の実例をあげます
数年前に50名くらい参加者さんの前で1時間の講演をしたことがありました。パワーポイントを使いながら講演するつもりで、開始時間までにセッティングを終わらせるはずが、なぜかうまく動かない。どうやっても動かない。うっわー、パワポなしでいくしかないか…と開始間近の土壇場で観念。
冒頭で自分の思いを正直に言いました。「すみません…今日はパワポの資料を用意してきたんですけど、機械動かないので、このまましゃべらせてください。ちょっと焦ってます。分かりにくいことがあれば、なんでも言ってください」
会場にはなぜか温かい空気が流れます。
結果、「パワポがなくてよかったわよ」というお褒めの言葉をいただきました。
ダメな部分をカミングアウトした人に、他人は優しいんですよ。これほんと。
うまく話そうという思いを捨てる
懇談会でも必ずひとりはいますよね。立石に水のごとく、すらすらとよどみなく話す方。「どちらのプロですか?」と思ってしまうような方。彼ら(彼女ら)はなぜあんなに話すのが上手なんでしょうか。本当に不思議です。
でも面白いことに、よどみなく話す人の話が、聞いている人の心に刺さってくるとは限らないんです。むしろ逆。スマートに話す人の話って、右から左に抜けることが多い。(※決してひがみではない、笑)
少しつっかえながらでも、ちゃんと自分の言葉で話す人の方が好感がもたれたりします。(※スマートに話す人が自分の言葉で話していないわけではない)
なので、うまく話す必要はないんです。
あなたのままで話せればいい。
自分の話をうなずいて聞いてくれる人に焦点を当てる
話を始めると、当然自分のところに注目が集まるわけですが、そのときにうつむいてしまわずに、勇気を出して、聞いてくれている人たちの顔を見てみてください。
かなり高い確率で、うなずきながら聞いてくれている人がいます。場合によっては、笑顔で聞いてくれています。
そういう人を見つけたらロックオンです。
その人に対して話しかけるつもりで、話をしてみてください。自分対たくさんの人、ではなく、自分対その人。そうすることによって、会話しているような気分になり、緊張をかなり和らげることができます。
まとめ
緊張するのは当たり前、うまく話せないのも当たり前。そもそもうまく話そうとしないこと。自分の思いが伝われば、その場所は決してアウェーではなく、ホームになるはずです。
せっかくなので、コミュニケーションを楽しみましょう。