映画「グリーンブック」がとてもよかったので感想でも

本・映画のレビュー

2週間前くらいに「グリーンブック」を観に行ってきました。いまさらだけど、レビューします。アカデミー作品賞を取らなかったら、まったく知らずにスルーしてしまっていた映画でした。

それまで、私の中では、アカデミー作品賞は「アリー/スター誕生」しかない!と思っていたけれど、この映画は納得の一本。

※ちなみにボヘミアンラプソディももちろん観に行きました(クイーンは昔から好きでアルバムを何枚か持っていた)。作品としてのクオリティは高いんだけど、私がフレディ本人を好きすぎるがために、10点満点が出せなかったという感じ。

それはさておき、グリーンブック。

「グリーンブック」のあらすじ

黒人の天才ピアニスト、ドクター・シャーリーと、シャーリーの運転手として雇われたイタリア人、トニーの2人が主人公。時は1960年代、アメリカの中でも特に人種差別の色濃く存在している南部へのコンサートツアーに2人で出かけるというもの。

「グリーンブック」というのは、当時、黒人が安全に泊まれる宿や、黒人専用の飲食店などを紹介していたガイドブックとのこと。

生き方も考え方も人種も異なる2人が、ときに衝突しながら、ときに(しょっちゅう)トラブルに遭遇しながら、互いの理解を深めていくという、実話に基づいたストーリーです。

 

感想

派手さがないのに、ぐいぐい魅せる映画でした。

アカデミー賞を争ったボヘミアンラプソディーやアリーに比べたら、舞台は地味。

雑に言ってしまえば、確かに「おじさん2人のドライブ映画」なんですよ。それなのに、主人公たちのセリフの深み、丁寧に心情を描き出すシーンの数々に、2時間があっという間。面白かった。すごいよ。あっぱれだよ。

 

以下、印象に残ったポイント(ネタバレあり)

差別と向き合うこと

シャーリーと知り合う前のトニーは、黒人の作業員がお茶を飲んだグラスをそのままゴミ箱に捨てるような男でした。それが、シャーリーとの長いツアーが終わったあとには、彼の中で何かが大きく変化しています。

言葉にすると特に目新しいところはないのかもしれないけれど。それだけに普遍的なテーマなんですよね、差別って。

「よく分からない」「接点がない」→自分の味方ではない→敬遠する。批判する。非難する。

国家間でもあるし、同じ国の中においても世代間や性別間で発生したりもする。 

「偏見はいけないね」「差別はダメだね」なんて、小学生でも知ってる。でもそこらじゅうに差別は存在している。無意識レベルの差別もある。もちろん私の中にも。

自分とは異なるものと接して、多様性を認めることから希望は生まれるのかもしれませんね。

古い慣習を変えること

印象に残ったシーンのひとつに、演奏会に招かれた主役のシャーリーが、会場のレストランで「有色人種はここで食事できません」と断られる場面があります。

「彼はゲストなんだぞ!?」と店のスタッフに詰め寄るトニーに、お店の人は一言「そういう決まりになっているんです」。

ふと思う。
このセリフ、身の周りでもよく聞かないか?と。

誰が作ったのかよく分からない、有効性も分からない、誰も幸せにしない、そんな決まりを守り続けた結果、私たちはすっかり疲れちゃってるじゃないか。

アメリカは問題だらけの国だけど、国民の間に「しょうがないよね」「どうせ変わらないよね」「無駄だよね」という空気が蔓延していないことだけは、心からうらやましいと思う。

 

品位を保つこと

移動の最中に警察車両に停められた2人。「イタリア人なんて半分黒人みたいなもんだからな」と警官に言われ、カッとなったトニーは警官を殴り、何もしていないシャーリーとともに留置所に入れられます。

そこで、人格者シャーリーがやさぐれたトニーにキッパリと語る言葉がいい。

 

You never win with violence.
You only win when you maintain your dignity.
Dignity always prevails.

暴力で勝つことはできない。
勝つことができるのは、品性を保ったときだけだ。
品性がすべてに勝る。

 

いかに難しい状況で、感情的にならずに品位を保てるか。

“Dignity always prevails. “
いい言葉なので覚えておこう。

 

おわりに

映画は今も公開中です。レディースデーとか(男性ならメンズデー)、レイトショーを選んでいけば、映画って安上がりな心の栄養補給だと思います。最近心がぱさぱさして、潤いが足りてないなーと感じる方、「グリーンブック」は自信を持っておすすめできるので、ぜひ観に行ってみてくださいねー。

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