歯の移植手術(正しくは歯牙移植手術)で大学病院に入院して、無事退院してきました。
亡き父が10年近く前に食道がんの手術を受け、しばらく入院してた病院です。あのころは古い建物と新しい建物が混在していたけど、今は完全に新しく生まれ変わって、外観も中もすごく綺麗。
エントランス入ると、正面にタリーズとコメダが並んでて、病院というより駅ビルにでも来た感じ。キャリーケースを引っ張って歩いてると、「今から2泊3日で台湾~」という気分に。
いまの時期、九份は混んでるかな♪
いや、台湾じゃない。入院だ。
入院までの経緯はこちら
入院する際には友達K子が付き添ってくれました。
私が入院するのは2階の西病棟。
ナースステーションに「今日から入院するユカです」と挨拶しに行くと、優しそうな看護師さんが出てきて「担当させてもらいます○○です」とてきぱきな対応。早速病室へ。
病室に案内されながら、私たちを見て看護師さん「娘さんとお母さんですか?」
・・・・・?
え?いまなんて??
いやいやいや、それはないよね。
てか、どっちがお母さん!?
2人して動揺しながら「ど、どっちがお母さん?どっち?」と看護師さんを質問攻め。
看護師さんも動揺してそれ以上答えられず、「え、同僚さん?えーと、ご姉妹?」
「同年代の友人です~!笑」って言っといたけど、親子とは!
え、見えるの!?
私が親か?K子、若く見えるし美人だしな。
うーん。確率は2分の1か。
そんな入院生活の始まり。
3泊4日の入院生活でしたが、日常で感じたことをまとめました。
ご飯が一番楽しみ
普段外で生活しているときは、ご飯にそれほどのこだわりはなかったのに、入院した途端、ご飯への執着が…。
ヒマなせいで、とにかくご飯の時間が一番楽しみ。
元気な患者認定されていたので、食事は病室に運ばれるのではなく、私がデイルームに出向いて摂っていたのですが、何度か早く来すぎてフライング。どんだけ食べるのを楽しみにしているのか。
↑フライングして一人早く来すぎる
手術前の最後の晩餐
ちなみに、手術日当日は日付が変わった時点から飲み物もNG。その日食べれたのはプリンとゼリーのみ。痩せてまう。
手術翌日の初の食事。朝ご飯。
極軟食という指示が出され、ご飯はおかゆ状態なのに、なぜかおかずはフツーに焼鮭。え?焼鮭っすか?術後の私には難易度高めでしたが、ほぐしておかゆと混ぜて完食しました。
その日の昼ご飯は、極軟食という指示で、ご飯はおかゆで、おかずはフツーの棒棒鶏。攻めてくるね。敵に不足なし。完食してやりました。
病院食はおいしくないって言われるけど、私には十分おいしかったよ。誰かが作ってくれたものをいただけるなんて、ありがたいことです。
食って人間が生きていく上でのエネルギーだよ。ほんとに。
ルームメイトとうまくやれるかな
入院したのは大部屋(4人部屋)。
入院の手続きをしたのと同じタイミングで、私を含め3人が一緒に入院しました。ひとりだけ新入りというわけではなく、3人同時なのでかなり気楽。
この3人、みんな歯の関係で翌日に全身麻酔で手術をする仲間。勝手に妙な連帯感。
入院する前は、「音とか立てる人がいたらゆっくり休めないかも」と、周囲のことを勝手に心配していたのですが、完全に杞憂。ていうか、みんな静かすぎる。本当にそこにいるんですか?というレベル。むしろ私が一番物音を出してしまっているかも、汗…。物音と言っても、咳ばらいとか、布団のこすれる音とかその程度なんですが。
私が手術に行くときは「がんばってね」と声をかけてもらったり、もうすぐ退院というときには「いいなぁ、お大事にね」と言ってもらったりと、静かな中でもささやかな交流があり、とても恵まれた病室ライフでした。
最後、退院で病室から出ていくときに、各ベッドのカーテンは閉まってたけど、「お世話になりました!どうかお大事になさってください」と大きな声で挨拶をしたら、たかだか4日間過ごしただけなのに、なぜか涙腺がうるっと。術前術後も結構冷静だったのに、ここでうるっと来たことに自分でびっくり、苦笑。
ひまつぶしが最大の肝
3泊4日とはいえ、食事と処置・検査以外はやることがないので、時間を持て余します。肝となるのがヒマをつぶす方法。昼寝をすると夜眠れなくなるので、できるだけ昼間は起きておきたい。そこで私が実行したヒマつぶしがこちら。
デイルームで仕事
仕事を持ってきて、デイルームでパソコンをカタカタやってました。
Wi-fiがつながらないのが痛い。
※公式にはWi-fiあるよ~って言ってるのに、実際は全然つながらない。 看護師さん曰く、一番多いクレームなんです…とのこと。
現在、「金沢子育てお役立ちBOOK のびのびビ~ノ」の改訂版を制作中で、巻頭には「子育て向上委員会からあなたへ」というメッセージが掲載されています。これを今回新しくしたくて、若いお母さんお父さんに伝えたいメッセージをデイルームで考えてました。
自分自身が少し弱っているときなので、若いお母さんたちへのエールが、自分にとっても特別なものになりそうです。
院内散歩
入院患者は、みんなパジャマにすっぴん。その格好のまま診療棟の売店などに買い物に出かけます。貫録十分でプリンを買い、その格好のまま売店の前に設置されているテーブルでプリンを食べてみたり。外来の患者さんたちも行き交う場所だけど、こちらは「住人」。時間に追われることもない。悠々とプリンを食べながら行き交う人たちを眺めるなり。
この病院、10階まで上がると素晴らしい眺望を楽しむことができるのがいいところ。
山環や鈴見がよく見える。
左側は、日航も見えるし、海まで見渡せます。
亡き父ががんの手術をしたときに、まさしくこの階に入院してたので、そのときのことを思い出しつつ。
図書室
病院の中には院内図書室があります。
本好きの私としては見逃せない場所。
小さな図書室だけど、本がいっぱいあって、管理人のボランティアさんがいて、本を読んでいる患者さんがいて、なかなかいい雰囲気。
借りれるんですか?と聞いたら、管理人さんがすごく親切に教えてくれた。せっかくなので、4冊ほど借りていく。翌日は退院の日だけど、営業時間外は外にブックポストが置いてあって、そこに返せばいいらしいので。ありがたい。
本を選んでいる間に「これ寄付します」って本を持ってきた人もいました。
とても温かい空間なので、これから入院する人はぜひ行ってみてください。4階だよ。
ようやくコペル君を読んだ。
ほんとそれ。
快眠快便
病院生活に適応しすぎじゃない?と思ったのが、自分の快眠快便ぶり。
枕も変わるし、病院という場所で、しかも4人部屋。はたして眠れるんだろうか・・・という心配は完全にあてが外れました。
夜は9時半に消灯で、部屋の電気が消えます。自分のベッドのとこだけ明るくするのも憚られるので、暗闇の中で目を閉じるんだけど、気が付くと寝てる。気が付くと朝の6時。
2泊目、3泊目は適応しまくて、夜9時を過ぎると眠くなってました。寝心地悪くないよ、病院のベッド。
あと心配していた排便もノープロブレム。手術日すら、スッキリした状態で手術室へ。
スタッフさんたちがみんな優しくてプロ
大学病院って冷たいイメージがあった。うん、あった。
でも、ここ金大の病院で、私がお世話になったお医者さん、看護師さん、研修医の若者、清掃の方、事務の方、食堂の方、みんなすごく優しくて丁寧で感じがよかった。
そして仕事ぶりがプロ。本当にプロ。
自分が弱っているときって周囲の優しさが身に染みるし、一方で、元気になったら自分も置かれた場所でプロの仕事をしようと、そんな風に思いました。
人は環境に適応していく
健康な生活を送っていると、大学病院の入院生活は遠い世界のことだけど、いったんそっちの世界の住人になると、今度はシャバが遠い世界になります。
シャバでは当たり前にしていたことができなくなっても、そんなもんかと受け入れざるをえません。
逆に言えば、元気ならば、どんどん新しい環境に飛び込んでいけばいいと思います。きっと適応できるはず。
余談。
入院中は一度もシャワーを浴びられず。4日間、体も頭も洗えなかったけど、気になったのは2日目あたりで、それを過ぎたら余裕。これも適応のひとつか。1週間くらい風呂に入れなくても全然問題ないなと確信できた。
退院の日の病院エントランス。シャバだー。
今回はゆるく入院ライフをまとめました。
全身麻酔編はこちら
歯牙移植編はこちら