それでも人生にイエスと言う

本・映画のレビュー

コロナ関連ニュースには一線を置いて過ごしているつもりだけれど、それでもネガティブな影響を受けないことなど不可能で、ブログにも何を書いていいのか分からないまま日が過ぎてしまいました。

でも考え方次第では、インプットの時間は今まで以上に確保できるはず。

そこで、私のおすすめの本・映画・ドラマのレビューを書いていこうかと。昔のブログで書いてた分もリライトしながら、レビューを増やしていこう。うん。

 

1本目にふさわしい本を選んでみました。

 

『それでも人生にイエスと言う』V.E.フランクル著

 

この本を買ってからどれくらい経つだろう。精神的にしんどい時期には必ず読みたくなる一冊。

なぜなら著者のフランクルがくぐり抜けた体験は、自分のしんどさなど到底足元にも及ばないから。

しんどさを相対化するのはもしかしたら正しくないのかもしれないけど、フランクルの体験はあまりにも重く、そこから導き出された彼の言葉はあまりにも美しく、私の状況などいとも簡単に凌駕してしまう。

どんな状況においても顔を上げて前向きでいられることを教えられる。

 

著者であるフランクルは、オーストリアの精神科医であり心理学者。

そして、ナチスによる強制収容所のサバイバー。家族は全員収容所で殺されている。

自身の体験を通して、強制収容所における囚人の心理的な変化を、心理学者の視点から克明に記してある。収容所に入れられたときのショック状況、徐々に無関心になっていく心、心の支えにすべきもの、そして解放されたあとの複雑な心理、等々。

 

壮絶な体験をした上に、収容所で家族全員を失ったフランクルが、著書の中で語る言葉はただただ美しい。

 

私たちは、生きる意味を問うてはならないのです。人生こそが問いを出し私たちに問いを提起しているからです。私たちは問われている存在なのです。私たちは、人生がたえずそのときそのときに出す問い、「人生の問い」に答えなければならない、答えを出さなければならない存在なのです。

フランクルは、人生に期待するのではなく、人生が何を自分に期待しているのか、そこを問いかけなさいと語りかける。

 

人生を意味のあるものにできるのは、第一に、なにかを行うこと、活動したり創造したりすること、自分の仕事を実現することによってです。第二に、なにかを体験すること、自然、芸術、人間を愛することによっても意味を実現できます。第三に、第一の方向でも第二の方向でも人生を価値あるものにする可能性がなくても、まだ生きる意味を見出すことができます。自分の可能性が制約されているということが、どうしようもない運命であり、避けられず逃れられない事実であっても、その事実に対してどんな態度をとるか、その事実にどう適応し、その事実に対してどうふるまうか、その運命を自分に課せられた「十字架」としてどう生き受けるかに、生きる意味を見出すことができるのです。

人生を意味のあるものにするのは、成し遂げた仕事や愛だけではない。

 

人間はあらゆることにもかかわらずー困窮と死にもかかわらず、身体的心理的な病気にもかかわらず、また強制収容所の運命の下にあったとしてもー人生にイエスと言うことができるのです。

 

コロナウィルスでこの先どうなるのかまったく見えないけれど、それでも人生にイエスと言おう。

 

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