大学時代の友人たちと20年ぶりに再会

前回の歯牙移植のブログの中で、年内の飲み会や宴会はパスをすると言ってたくせに

 

大学時代のプチ同窓会(という名のただの飲み会)に行ってきました。

20年ぶりに会うメンツになるので、これは例外。まぁ、そのたびに「例外」と言ってしまえば、そんなもんだけど。

 

で、20年ぶりの顔合わせ。

あきれるくらい一瞬で大学時代に戻るものなのね。

私の母校

私たちは、アメリカのニューヨーク州の小都市にある大学でともに時間を過ごしてきた仲間。ニューヨーク州立大学ビンガムトン校(State University of New York at Binghamton) っていうところ。今はビンガムトン大学 (Binghamton University) っていう呼び名の方が主流らしい。

今年、吉野彰先生がリチウムイオンでノーベル化学賞を取った際に、ビンガムトン大学のスタンリー・ウィッティンガム先生が一緒にノーベル賞を受賞しました。ニュースを見ていて、ビンガムトンの名前を聞いて、どれだけ驚いたか。日本で名前を聞くことなんてないから、いきなり聞くと焦るよ。

パブリックアイビーでいい大学なのに、知名度が低い。そんなビンガムトンが私は好き。

5年くらい前に、ヒューグラント主演の映画の舞台にもなったよ。

 

留学生の日常

西海岸の大学って、ESLが充実してるイメージがあるじゃないですか。日本から来た若者が、太陽の下でキャピキャピ、ウェイウェイしながら、英語学校に通っているイメージ(相当偏見入ってます)。ビーチやダウンタウン、キャンパスに繰り出して、おしゃれもしてて、流行の先端を追いかけてそう(偏見まみれ)。

ビンガムトンはESL(語学クラス)のない大学です。しかも田舎。

キャンパスを歩く学生は、学位を取りに来た学部生か院生しかいない。だから留学生はみな余裕がなくて、キャピキャピとは無縁。日々の課題をこなすのに必死。図書館で深夜まで勉強する日常。テストに追われ、宿題に追われ、プレゼンに追われ、追われまくって逃げ込む先は、日本から持ってきたレトルトの日本食。

しかも、ビンガムトン、冬が極寒なんだよ。マイナス20度の世界。おしゃれ無理。スーパーで買ったバナナを車の中に置き忘れてしまったら、翌朝カチンコチンになってたことがあった。バナナで釘は打てる。

そんな寒くて地味な大学生活を送っておりました。 

でも、大学生活は地味だけど、心は間違いなく熱かった。快適な日本を抜け出して、はるばる地球の反対側まで来て、いつまで経っても英語が上達しない自分に劣等感を抱えながら、睡眠時間削って課題のレポートを仕上げるくらい、熱かった。

日本人留学生の少ない大学だったから、その分日本人同士の精神的なつながりは強かった。普段はそれぞれの専攻の勉強で忙しい分、たまに集まって、互いの労をねぎらいつつ、お酒飲みながらしょーもない話で盛り上がるのが本当に楽しかった。

 再会

そんな地味で熱い大学生活を送った仲間たちとの20年ぶりの再会。

顔見た瞬間に大学時代に戻ってしまった。みんな全然変わってないからなおさら。「昨日もLibrary で会ったじゃん」レベル。

で、あまりにも一連のトークがナチュラルすぎて、こんな気を使わない飲み会が世の中に存在したことに驚く。

逆に、普段の飲み会はそれなりに気を使ってるんだなぁと。好きな人たちだからこそ気を使うし、人工的にテンションを上げることもある。

対して、この大学時代の友人たちとの飲み会の快適さといったらどうだろう。リラックスしすぎて、家のよう。そして心は完全に学生。

話をしながらいろいろ思い出す。私はこのビンガムトン時代に、初めて「こち亀」を貸してもらって読んで、両津勘吉にはまったんだ(この日は来てない男子の蔵書)。アメリカというリベラルな場所だったせいか、料理する男子が多くて、女子は食べるの担当のことが多かった。私の第一印象はキャップだったそうで、確かに当時は大の帽子好きだった(今も好き)。

あのころ海外志向の男子たちは、みな落合信彦の「狼たちへの伝言」から影響を受けてて、そのネタをしゃべるのも面白かった。私も落合信彦が出てたアサヒスーパードライのCMにまんまと感化された一人。ノビー信者とも言う。著書の中に出てくる「世界を見ろ」とか「飼いならされた豚になるな、狼になれ」みたいな熱い言葉の数々に心を動かされたかつての私たち。いまや息子さんの落合陽一氏が大活躍してるあたり、時代の流れを感じる。

20年前に狼に憧れた我々が、はたして豚になってしまったのか、はたまたヤギか、ウマか、羊か、ハムスターか分からないけど、 こうやって生き抜いて笑い合えるのであれば、もう十分ではないかと。

私たちが卒業して日本に帰国したときは、バリバリに氷が張ってる氷河期で、荒野のような景色が広がってた。

どこもかしこも新卒採用をぎゅうぎゅうに絞る中、「ここで働かせてください!」と千と千尋の千尋ばりに訴えたところで、「お前なんかいらない」と邪険に扱われる経験を嫌と言うほどしてきた。どこに滑り込めたか、その後の人生をどうやりくりできたか、すべては選択と運次第。

そんな状況をそれぞれがどうにかこうにかやってきて、昔の話、今の話、これからの話でわいわいと盛り上がれるってなんて素晴らしいことだろう。

ほんと楽しすぎた。

大学の友、最高。

あのときがあるから、今の私がある。

この記事を書いた人

yuka

管理人のユカです。
20年前に子育て支援系NPOを作り、10年前に株式会社を作りました。
モットーは「まーなんとかなる」。
とりあえず今までの人生、まぁなんとかなってます。神様ありがとう。
未来のことは分かりませんが、笑って過ごしていたいと思います。